【本川】寒風山(かんぷうざん)|いの町本川から登る険しい山
四国山地のほぼ中央、いの町本川地域と愛媛県西条市の県境にそびえる寒風山(標高1,763m)は、石鎚山系を代表する人気の登山スポットです。
この記事では、いの町側から楽しむ寒風山の魅力や、登山コース、アクセス、周辺の立ち寄りスポットまで、初めての人にもわかりやすく紹介します。
寒風山ってどんな山?
石鎚山系の稜線に立つ「笹原の展望台」
寒風山は、高知県吾川郡いの町桑瀬と愛媛県西条市の境に位置し、標高1,763m。山頂部はササ原におおわれており、視界を遮る樹木が少ないため、山頂からは石鎚山、瓶ヶ森、伊予富士、笹ヶ峰など石鎚連峰の山々や、その向こうの瀬戸内海方面まで大きく見渡すことができます。
「寒風」という名前のとおり、尾根に出ると風が強い日も多いですが、そのぶん雲の流れや光の変化もドラマチック。晴天時はもちろん、雲海やガスの切れ間から山並みがのぞくような日も印象的です。
アクセス|いの町・本川側から登山口へ
車でのアクセス
寒風山登山の一般的な登山口は、国道194号・新寒風山トンネルの南口から旧道に入り、旧寒風山トンネル南口付近にあります。
- 高知自動車道「伊野IC」
→ 国道33号 → いの町市街 → 国道194号を北上 → 本川方面へ
→ 新寒風山トンネル高知県側入口付近で旧道へ → 旧寒風山トンネル南口の駐車場
所要時間の目安:伊野ICから2時間弱 - 松山自動車道「いよ西条IC」
→ 国道11号 → 国道194号を南下 → 新寒風山トンネルを抜けてすぐ旧道へ
→ 旧寒風山トンネル南口の駐車場
所要時間の目安:いよ西条ICから約1時間10分
駐車場・トイレ・寒風茶屋
旧寒風山トンネル南口の登山口には、舗装された無料駐車場があり、約30台が駐車可能です。トイレも整備されていて、登山前後のベースとして安心して利用できます。
駐車場に隣接して「CAFE BASE」と呼ばれる休憩スポットがあります。登山前の準備や、下山後の一服にちょうどよい場所です。
代表的な登山コース|寒風茶屋から山頂往復
もっとも一般的なのは、寒風茶屋から桑瀬峠を経由して寒風山山頂を往復するコースです。
コース概要
- 登山口:旧寒風山トンネル南口・寒風茶屋横
- 標高差:約650m(登山口約1,100m → 山頂1,763m)
- 歩行時間:往復約4時間(休憩含めて4〜5時間が目安)
- 難易度:初級〜中級(急登・岩場あり/高所が苦手な人は注意、梯子あり、数箇所注意)
歩き方のイメージ
- 登山口〜桑瀬峠
登山口からしばらくは樹林帯の中を登ります。緩やかな区間と、やや急な登りが交互に現れ、登るにつれてブナやミズナラの自然林が増えてきます。桑瀬峠に出ると、一気に視界が開け、伊予富士方面の稜線が目の前に。 - 桑瀬峠〜稜線〜山頂
桑瀬峠からは稜線を進みます。途中、岩場や細い尾根もあり、足元には注意が必要ですが、そのぶん展望は抜群です。 - 山頂での大パノラマ
なだらかな台地状。晴れていれば、石鎚連峰の主稜線や四国山地の奥深い山並み、瀬戸内側の街並みまで見渡せます。風をさえぎるものが少ないので、防寒・防風対策はしっかりとしておきたいところです。
季節ごとの楽しみ方

春:芽吹きとシャクナゲの季節
5月〜6月にかけては、ブナやミズナラの新緑がまぶしい季節。稜線付近では、ツクシシャクナゲやベニドウダンなどが順番に咲き、柔らかな緑と花の彩りが楽しめます。
雪解け直後は足元がぬかるむ場所もあるため、防水性の高い登山靴がおすすめです。
夏:涼風の尾根歩き
真夏でも、標高1,000mを超える桑瀬峠付近から上は市街地よりかなり涼しく、日中でも比較的歩きやすいコンディションの日が多くなります。
ただし、樹林が少ない稜線は直射日光を受けやすいので、日焼け対策やこまめな水分補給は必須です。
秋:紅葉、山並みが映えるベストシーズン
10月〜11月初旬は紅葉の最盛期。ブナやカエデの黄・赤と、稜線全体が柔らかな黄金色に包まれます。石鎚山系の他のピークと同様、寒風山も秋は登山者が多く、駐車場が早い時間に満車になることもあるので、週末は早朝到着を心がけると安心です。
冬:樹氷と雪山入門としても人気(※要冬山装備)
冬の寒風山は、条件が良ければブナ林やササ原に樹氷がびっしり付く、幻想的な景色が広がります。
ただし、積雪や凍結があるとアイゼンや防寒装備が必須になり、登山レベルも一段上がります。
旧寒風山トンネルは例年12月下旬〜3月下旬ごろまで冬季通行止めになるため、道路情報の事前確認が欠かせません。

UFOライン・伊予富士・瓶ヶ森と組み合わせる山旅
寒風山登山口のある旧寒風山トンネル南口は、いの町が誇る絶景ドライブルート「UFOライン(町道瓶ヶ森線)」の入口でもあります。
UFOラインは、寒風山から伊予富士・瓶ヶ森へと続く尾根沿いを走る全長約27kmの町道で、標高1,300〜1,700mの稜線を縫うように伸びる「天空の道」で、晴れた日には、西日本最高峰・石鎚山の雄姿や、土佐湾側まで見渡す大パノラマが広がります。
登山の前後にUFOラインをドライブして瓶ヶ森や伊予富士の登山口付近まで足を伸ばせば、1泊2日で複数の山を楽しむ「縦走ベース」の旅も組み立てやすくなります。

下山後に立ち寄りたい、いの町本川・吾北エリアの温泉&宿
寒風山の帰り道はいの町の山間部を通るため、温泉や宿泊施設との相性も抜群です。
- 木の香温泉(本川エリア)
国道194号沿い、寒風山登山の行き帰りにちょうどよい立地。山あいの静かな温泉で、ドライブや登山の疲れをゆっくり癒やせます。 - 吾北むささび温泉(吾北エリア)
茜色のお湯が特徴の温泉施設。トレーニングルーム、サウナもあり、登山帰りのクールダウンにも最適です。 - グリーン・パークほどの
山上にあるキャンプ場で、バンガローやオートキャンプサイトを備えたアウトドア拠点。寒風山やUFOラインと組み合わせて「山+キャンプ」の滞在型の旅を楽しむこともできます。

いの町中心部まで戻れば、「いの町紙の博物館」など土佐和紙文化に触れられる施設もあり、山旅とあわせて地域の文化・歴史も深く味わえます。
寒風山登山の安全ポイント
- 天候チェックは必須
稜線の風は強く、ガスが出ると体感温度が大きく下がります。事前に気象情報を確認し、悪天時は無理をしない判断を。 - 装備は「低山感覚」ではなく「中級山岳」寄りで
標高1,700m級の山です。夏でもレインウェアと防寒着、帽子・手袋、十分な水分と行動食は必携。秋冬や早春はアイゼンや防寒具が必要になる場合もあります。 - 駐車場・道路の最新情報を確認
旧寒風山トンネルやUFOラインは、雪や路面凍結、災害等で通行規制がかかることがあります。いの町や愛媛県西条市、四国森林管理局などの公式情報を事前にチェックしておきましょう。
いの町の山旅の“入口”としての寒風山
吉野川の源流がある、いの町本川エリア。その最前線に立つ寒風山は、いの町の里から山、そして四国山地の奥深さへとつないでくれる「山旅の入口」のような存在です。
笹原の稜線を吹き抜ける風を感じながら、石鎚連峰の大きな山並みを眺める時間は、日常の時間感覚をそっとリセットしてくれます。いの町の温泉やキャンプ場、和紙の文化と組み合わせて、自分なりの寒風山トリップを組み立ててみてください。