【全域】移住者はどれくらい定着している?「20年以上居住」が70%という事実
「いの町に移住しても、結局みんなすぐ出ていくのでは?」移住や定住施策を考えるとき、そんな不安の声が上がることがあります。
しかし、令和6年度に実施された「いの町住民意向調査」の結果を見ると、少なくとも “転入してきた人” の多くが、長く町に根を下ろしている ことが数字としてはっきり表れています。
本記事では、調査データをもとに「いの町に転入した人がどれくらい定着しているのか」を整理し、移住・定住を考えるうえでのヒントを探ります。
調査の概要と「20年以上居住」の割合
今回取り上げるのは、令和6年度いの町振興計画に合わせて実施された「いの町住民意向調査」の結果です。

- 調査対象:町内の世帯主 2,000人
- 回収数:637件(有効回答)
- 実施方法:郵送配布・郵送回収
回答者には、「生まれたときから住んでいる」「Uターン」「転入」という3つの区分で、
いの町に住み始めた経緯を尋ねています。その内訳は次の通り。
- 生まれたときから住んでいる……32.3%
- Uターン……………………………13.5%
- 転入………………………………53.2%
このうち 「転入」53.2% に注目すると、いの町は「もともと住んでいた人」だけでなく、「あとから入ってきた人」が半数を超えています。
転入者の7割が「20年以上」住み続けている
さらに、転入者だけを対象に「いの町に住んで何年になるか」という質問に対する結果を見ると、次のような居住年数の内訳になっています。
- 0〜4年……7.4%
- 5〜9年……8.3%
- 10〜14年…8.0%
- 15〜19年…5.6%
- 20年以上…70.2%
ここから分かるポイントは、とてもシンプルです。
つまり、「いの町に来てみたけれど、すぐ出ていく人が大多数」というイメージとは逆で、一度根を下ろした人は、そのまま長く暮らしているケースが多い ことが見えてきます。

もちろん、この調査は「現在いの町に住んでいる世帯主」を対象としているため、すでに転出してしまった人は含まれていません。それでも、「今住んでいる転入者の多くが長期定住である」という事実は、移住・定住を考えるうえで重要な材料になります。
Uターン組も「長期定着」が半数
同じ調査では、「Uターン」の人にも居住年数を尋ねています。その結果がこちらです(N=86)。
- 0〜4年……16.3%
- 5〜9年……15.1%
- 10〜14年…7.0%
- 15〜19年…11.6%
- 20年以上…50.0%
Uターンは「一度町を出て、戻ってきた人」ですが、ここでも 半数が「20年以上」住み続けている という結果になっています。
転入者・Uターンを合わせて見ると、いの町は「あとからやってきた人」が一時的に滞在するだけでなく、時間をかけて生活の基盤を築き、長く暮らしている町 であることが分かります。
なぜ「定着」につながっているのか
調査では、いの町に戻ってきた・移住した理由も聞いています(Uターン・転入のうち該当者425人)。主な理由は次のような項目です。
- 就職
- 結婚
- 子育て
- 介護
- その他(家を建てた/いの町に住みたかった/通勤の利便性 など)
このうち「結婚」「子育て」「家を建てた(買った)」といった理由は、その後の生活の基盤づくりと強く結びつくタイプの動機 です。こうした動機でいの町を選んだ人は、
- 子どもの成長
- 親世代の暮らし
- 仕事や通勤の環境
- 地域との関係性
といった要素とセットで生活を組み立てていきます。結果として、「一定期間だけ住む」のではなく、長いスパンで暮らす前提でいの町を選んでいる人が多い と考えることができます。
「今後も住み続けたい」は6割超
もうひとつ、定着の背景を知る手がかりになるのが、「今後もいの町に住み続けたいか」という質問です。全回答者637人に対して、
- 住み続けたい…………63.4%
- すぐにでも転出したい…1.7%
- 将来転出すると思う……7.4%
- わからない……………26.7%
という結果になっています。「住み続けたい」が6割を超えている一方で、「すぐにでも出たい」と答えた人は2%に満たない水準です。
この数字だけで「全員が満足している」と言うことはできませんが、少なくとも “今のところ、いの町で暮らしを続ける意向がある人が多数派” であることは読み取れます。
おわりに
ここまでのデータをまとめると、以下のようなポイントが見えてきます。
- 転入者の半数以上が「20年以上居住」の長期定着層
- Uターンも含めると、「あとから戻ってきた人」の半数が20年以上住んでいる
- 今後も住み続けたい人が6割超で、「すぐに出たい」人はごく少数
また、
- 「移住者が長く暮らしている町」であること
- 「結婚・子育て・家づくり」と相性が良い生活環境があること
- 「一時的な移住地」ではなく、「生活の拠点になりうる町」であること
「移住者はどれくらい定着しているのか?」という問いに対して、今回の調査からは、
という姿が見えてきました。この数字は、単なるイメージや印象ではなく、世帯主を対象とした住民意向調査の結果として示されたものです。