シニア移住のススメ

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こんにちは。ナガオです。
8月のある日、神谷七色会の会長さんから「ずいぶん前に移住してきた方だけど、会ってみる?」と、紹介していただいたKさんご夫妻。
恥ずかしいから顔と実名は出さないで、という条件つきでしたが(^_^;)、お話を伺ってきました。

プロフィール

奥様は高知市出身で65歳、ご主人は東京都出身で70歳。お二人ともお聞きした年齢よりはずっと若く見えます。
2008年に東京都から いの町神谷に、奥様のお母さんの介護もあり、ご主人の定年退職を機に移住。
仁淀川を望む高台のお家で、ご夫婦と愛犬とで暮らしていらっしゃいます。

 

Q:高知市ではなく、いの町にされた理由は?

奥様:たまたまこの家を見つけたから。(笑)実家との距離も車で30分位。ちょうどいいかな、と思って。実家とあまり近すぎるのもねぇ。
自分たちの生活も大事なので、通うのにちょうどよかった感じです。
主人は定年すぎていまして、東京の家を売ってこちらへ来ました。

ご主人:私の両親ももう亡くなっていて、妻の父親も亡くなっていました。最後の親孝行ということで。
奥様:私は月に1回くらいは帰ってきていました。レンタカーを借りて、母を病院に連れて行ったりしてまして。まあ、大変だなというのを実感したんですね。で、主人にも来てもらいました。

ご主人: 1回こっちへ来るとそう簡単にねぇ、2~3日で帰るというわけにもいかないでしょ。私も定年をすぎ、パートの簡単な仕事はやってはいましたが、介護も一人では大変ですから、こっちへ移り住むことにしました。

奥様:この家がよかったのよね
ちょうどタイミングよく見つかって。毎月帰ってくるたびに少しずつ家探しをしてはいました。国道から少し上がるけれども、9年前に来たときにはまだ元気でそんなに苦ではなかったんですが、最近少ししんどい。(苦笑)
ただ、毎日坂を上がるので、結構足腰が強くなったみたいです。先日お遍路さんに行ったときも階段をずっと歩いて上がった。全然平気だったので自分でもびっくりしました。(笑)

Q:神谷地区の印象は?

ご主人:私たちは転勤慣れしているので、知らない地域に行くことはそんなに抵抗はなかった。それで、こういう自然の豊かな地域ですから、私としては抵抗なくすぐに慣れました。

Q:もとのお仕事は?

ご主人:保険会社です。3~4年ごとに転勤を繰り返していた。最初は沖縄までいきました。東京を中心に、西日本が多かったです。

Q:神谷地区の”ここが不便”とかありますか?

ご主人:不便といえばここは車を横付けできないっていう特殊な事情はありますが、
それ以外は、バス停は坂を降りて20~30m先にあるし、まだ車にも乗ってはいますので、JAとか道の駅とか、30分以内で行ける所が3~4箇所以上ありますし、お風呂もありますし、バイパスがつながったので高知市内へも30分あれば行けますし、
空港までも1時間位で行けちゃいますし、そういう面では非常に便利なところですよ。渋滞もないし。(笑)

奥様:東京のほうの距離感と、こちらの距離感は全然違いますね。生活の感覚がちがうんでしょうね。それと、東京では食べ物買うのは全部スーパーじゃないですか。それがこちらだと道の駅とかJA直販所とかがあって、最初野菜がおいしかったよね。今は慣れたけど。(笑)
こちらの野菜は全然ちがうんですよね。露地物が多いじゃないですか。果物の種類も豊富ですよね。

ご主人:やっぱりね、野菜の味が濃いです。典型的なのはね、向こうで大根買っておでんにするでしょ。よっぽど味をしみこませないと美味しく食べられなかったのが、こちらの大根はもうその日のうちに食べても、大根そのものの味がいい。そういう違いがあってね。

Q:おでんの大根って、次の日に食べるんですね?(笑)

ご主人:近所の方でお米作られてる方もいますからね、秋口になると新米を安く分けていただいたりしてます。
その方が白菜も作っていて、冬になると食べきれないほどたくさんもらうんです。
で、戴いた白菜をこちらでキムチにしてね、お返しってわけじゃないですけど、差し上げたら喜んでいただいた。「キムチの作り方、上手やね!」って言われたりしてね。(笑)

裏の方も野菜を作ってらして。きゅうりとかなすとか、時期になるとよくいただくんですよ。
そういうのがね、ありがたいですよ。顔を合わすとね、きゅうりいるかい?なすいるかい?って声をかけてくれるんですよ。向こうから声をかけてくれるのはありがたいですね。

奥様:私は住みやすいと思いますよ。町がコンパクトにまとまってて、病院もあるし、駅前には歯医者さんも全部そろってますし。
10分で役場、病院、スーパー、お風呂あちこち、JR,路面電車へも行けるし、バスも通ってて、神谷はアクセスがいい便利な所だと思いますよ。

ご主人:それと、道路からこの家まで上がってくると気温が違うんですよ。
それから、町から仁淀川をさかのぼってくると空気が違う。ぐっと冷える気がする。
夕べも午後9時過ぎるとエアコン切ってね、扇風機に換えて窓を開けるとね、裏まで空気が抜けるでしょ。涼しくてエアコン必要ないですよ。(取材時は8月中旬)

奥様:それと景色!お天気のいい日は気持ちいいですよ。星もきれいですしね。
ご主人:日当たりがいいもんですからね。布団を年中干すんですよ。3日に1回くらい。ご近所にまた干してる。(笑)って言われるくらい。それでね、その晩はほかほか。

夏は日よけの庇をつけています。西側はゴーヤのつるを這わせて、日よけにしています。花のうちに摘んで実をならさないようにして。食べきれないですから。

奥様:日当たりが良すぎて夏は暑いですが、だけどまあ日光消毒だと思って。(笑)
あと東京の暑さと比べるとまた違うんですよ。向こうはヒートアイランドで半端じゃないですよ。サウナのよう。こっちへ帰ってきたらほっとしました。

Q:おうちについて

ご主人:中古で、不動産屋さんから購入しました。
キレイな状態で、ほとんど改修してないです。フローリングを変えただけ。

3~4年前に耐震工事をやりました。

地震にはすごく弱い状態だったので、地震が起きたらつぶれてしまうレベル。
逃げ出せるくらいの時間はほしいなと思って。下敷きは避けたいなと思って。(笑)
町の補助があるので、それを使いました。柱と壁の補強をやりました。
結果、構造評点が、1.5になったんです。

奥様:ここは風が吹き抜けるんですが、そのたびに家がガタついていたのがなくなりました。
全然ちがいますね。風が吹いているのがわからなくなりました。

費用的には補助金内では収まらず、ちょっとオーバーしました。
でも、それでこれだけ丈夫になったので、安心を買うという意味では良かったと思ってます。

ご主人:半壊でも逃げおおせれば違いますからね。おそらく全然心配ないということはない。半壊は覚悟の上。とりあえず命だけは守らないとと思っています。

Q:家財道具・荷物について

奥様:最初、賃貸も聞いてみたんですが、親の荷物などが入ったままでそれを片付けて貸すところまでにはいかないんです、という話を聞きました。

ご主人:老後二人だけで、家もダウンサイジングしてね。となると私どももこっちへ引っ越すにあたって家財道具は殆ど処分して来ました。

奥様:もうすごかったね、あのときはね。ホントに。(苦笑)
結婚するときに母が買ってくれた箪笥が、いいのがあったんですが、本当に悲しかったけれど全部処分しました。もう老後ですから、見得張ることもないですし。

ご主人:今の家は部屋が3つなので家具はそれほど入らないです。
ここにはとても置けないので、箪笥、テーブル、書棚、椅子、殆ど処分しました。
合計するとかなりな金額だよな。当時としても。でも売るとなると2束3文ですよ

奥様:ここに持ってきたら大変なことになる。

結局荷物のために部屋を占領されるでしょ?
そういう生活はもう止めようと思って。

年をとって必要なものはそんなにないわけですから。
おうちもそれほど大きくなくてもいい。大きいと維持費もかかるわけですから。
年金生活になるので、この際!ということで処分して、着るものなども処分しました。
主人も現役のときのスーツはほとんど処分したんですけど、今はシーズンごとに1着だけ置いてあります。

ご主人:まあ、働いてるときはそれが仕事着ですからね。
今でもどうやって処分するか考えて、物をふやさないように気をつけていますよ。
それでね、お互いにエンディング・ノートを書いたんですよ。
子どもがいないので、お互いに始末しやすいように。

奥様:男の人は荷物が少ないけど、女の人はそれなりに・・・(笑)
生活をしながらそれらを処分するのはとても難しいことでしょ。

引越しがとてもいい機会になりました。

Q:今はどんな生活ですか?

ご主人:私はできるだけ外に出ないようにして、本を読んだり。図書館にはよく行きます。新聞なんかに紹介される本を予約して。本もなるだけ買わないようにしてます。
私のような定年を過ぎた人はかえってこういうところが生活しやすいのでは?
私たちの年齢の方でも入ってくればねぇ。若い方は生活で精一杯だが、定年後なら年金もあるので生活にゆとりがある。地域のためにもいいのでは?

せっかく美味しい野菜があり、一通り揃っているそういう環境があるわけだからそういうのを生かしていの町、神谷地区のよさをアピールしていったらいいと思いますよ。

インタビューを終えて

お二人とお話してると、微笑ましいというか、お互いにフォローしあって、時にはツッコミも入りながらいい感じに会話が弾みます。

私もつい、2時間近くも長居してしまいました。

お引越しや荷物整理のお話なども、とっても参考になり、

子どもが巣立ったらこういう心構えでシンプルな生活がしたいなぁと思いました。